【英語deしごでき】P.F.ドラッカー「経営者の条件」その1

皆さんこんにちは!塾長です。

 

皆さんはピーター・ドラッカーという人の名前を聞いたことがありますか?

 

ちょっと前に爆発的大ヒットを飛ばした「もしドラ」の、元となった「マネジメント」という経営学における古典的な名著を書いた、20世紀最大の社会学者、経営学者の一人です。 

 

 

マネジメント[エッセンシャル版]
 

 

(長くても構わんから全文読みたい、という方はこちら↓)

  

 

 

 

 

 

ソビエト連邦の崩壊を予言したことでも有名ですね。

間違いなく、学問史上に輝く巨人の一人です。

 

日本文化好きとしても知られ、独学で日本画について学び、大学で講座をもっていたこともあるのだとか。

 

ユダヤ系ということもあるのでしょうが、おそらくフィーリングが日本人と合うのでしょう。

 

だからこそ、これほど日本でのドラッカー人気は根強いのかも知れません。

 

さて、塾長を含む、ドラッカーを読んだ多くの人はこう思います。

 

もっと早く読んでおけばよかった…!

 

ドラッカーの著作は社会学系と経営学系に大別されますが、経営学系の本はものすごく簡単に言うと

成果を出すためにはどうすればいいのか?

について、徹底的にわかりやすく書いてあります。

 

ドラッカー自身がユダヤ系のオーストリア人で英語のネイティブではないということもあり、英語も非常に分かりやすいです。

 

そして何より、読んでると元気が出て、自分が仕事ができる人間になった気がするので、塾長はドラッカーの本を「読むジャッキー・チェン映画」だと思っています。

 

(ジャッキーの全盛期の映画は、見るだけで自分が強くなった気がしますよね!

プロジェクトAとかポリス・ストーリーとか。)

 

今回は多くのドラッカーファンも「ドラッカー入門」として推す、「経営者の条件 The Effective Executive」を精読していきます。

 

 

 

専門用語などの訳語は、ドラッカー本人からも大変信頼されていたという、ドラッカー学会会長の上田惇生(うえだ・あつお)先生の訳を参考にしています。

 

 

それでは、はじめていきましょう!

第1章のタイトルから熱いですよ。

 

1: Effectiveness Can Be Learned

第1章:成果を上げる能力は習得できる

 

「仕事ができる人間」には、学んでなることができる!ということです。どうですか?読むしかないですよね?

 

それでは本文を読んでいきます。和訳なしでどれくらい理解できるか、試してみてくださいね。

 

 To be effective is the job of the executive. "To effect" and "to execute" are, after all, near-synonyms. Whether he works in a business or in a hospital, in a government agency or in a labor union, in a university or in the army, the executive is, first of all, expected to get the right things done. And this is simply that he is expected to be effective.

 

もう一度読みますね。

 

 To be effective is the job of the executive. "To effect" and "to execute" are, after all, near-synonyms. Whether he works in a business or in a hospital, in a government agency or in a labor union, in a university or in the army, the executive is, first of all, expected to get the right things done. And this is simply that he is expected to be effective.

  

どうでしょうか。思ったより簡単な英語だったのではないでしょうか?

 

それでは、一文ずつ訳していきます。

 

まず、

To be effective is the job of the executive.

の訳は、

成果を上げることが、エグゼクティブ(経営者、組織の幹部)の仕事である。

です。

 

effectiveは「効果的な、効果を出す」だけど、これを「成果を出す」と訳したのは、さすが上田先生、というべきですね。

executiveも「管理職」や「重役」などとするよりも上田先生の訳本の通り「エグゼクティブ」が一番しっくりくるので、これで統一していきたいと思います。

ちなみに英語での発音はexecutive(エグゼキュティヴ)なので注意してくださいね。

 

 "To effect" and "to execute" are, after all, near-synonyms.

は、

「成果を上げる」と「物事を実行する」は、結局のところほぼ同義語である。

という訳になります。

 

ここの上田先生の訳は、「物事をなすということは、成果を上げるということである」となっています。う~ん、名訳ですね!

★ここのeffect「効果を出す、成果を上げる」は動詞で使われていますね。to be effectiveだと形容詞ですが、動詞で言い換えた表現です。

★execute「実行する、執行する」も動詞です。名詞のexecutiveを言い換えていますね。

★after allは「結局、とどのつまり」という意味です。「すべてのことが終わったあとに」と直訳的に考えれば、すぐ覚えられますね。

★synonymは「同義語」です。synは「同じ」とか「揃(そろ)える」っていう意味の接頭辞(せっとうじ)です。「シンクロする」など日本語でも使いますね。ちなみに「反義語」はantonymと言います。「アンチ巨人」などというときのantiの仲間です。

 

Whether he works in a business or in a hospital, in a government agency or in a labor union, in a university or in the army, the executive is, first of all, expected to get the right things done.

働く場所が企業、病院、政府機関、労働組合、大学、軍、どこであろうと、エグゼクティブはまず何よりも、「為すべきことを為す」ことを期待されている。

★このWhether SVは名詞節です。「~であろうと~であろうと」という意味ですね。

★このa businessは、a がついてますので、「仕事」ではなく「企業」と訳します。

★このheは後ろのthe executiveを指しています。

★be expected to 動詞の原形 で「~することを期待される」です。

★get the right things doneは get O C の形の第5文型ですね。

 

And this is simply that he is expected to be effective.

そしてこれは、エグゼクティブはシンプルに「成果を上げる 」ことを期待されている、ということである。

★This is that SV「これは(すなわち)、SVということである」という構文です。

 

それでは、もう一度英文と、上田先生による日本語訳を読みましょう。

 

 To be effective is the job of the executive. "To effect" and "to execute" are, after all, near-synonyms. Whether he works in a business or in a hospital, in a government agency or in a labor union, in a university or in the army, the executive is, first of all, expected to get the right things done. And this is simply that he is expected to be effective.

 

【上田惇生先生による訳】

エグゼクティブ、すなわち物事を成すべき地位にある者の仕事は、成果を上げることである。物事を成すということは、成果を上げることである。企業、病院、政府機関、労組(ろうくみ)、大学、軍隊のいずれにあろうとも、エグゼクティブなるものは、常に、成すべきことを成すことを期待されている。すなわち、成果を上げることを期待されている。

 

ちょっと短いですが、今回はこのへんで。

 

最後までご覧いただき、ありがとうございました!